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福島県いわき市。この地で長年音楽指導に尽力してきた若松 紀志子先生に、ご自身が主宰する「アートスペース エリコーナ」でお話を伺った。


| 「私はね、本当に自分の人生がよかったぁ、本当に充実していたと言えるの。全ては音楽のおかげ。音楽をやってきたことにより、人生が充実し、健康で、生きる力をもらえたの。」と、いきいきと語る。
京都生まれの91歳(2007年1月現在)。幼少期からピアニストを志し、東京音楽学校(現・芸大)本科ピアノ科で学んだ。この頃、東京芸術学校で絵を学んでいた若松 光一郎氏と運命的に出会い、後に結婚。戦争が激しくなり、1945年ご主人の故郷である福島県いわき市へ疎開してきた。
「あの頃は、東北は文化果つる地というイメージがあったわ。」先の見えない時代に見知らぬ土地で、全てを失ったような感じがしたと言う。しかし、恩師に励まされ、「すばらしい才能を持つ子供はどこにでも、きっといる。その才能を育てる、情熱ある先生になりたい。」と決意。
以来、この地で情熱を絶やさず、数多くの子供たちにピアノを通じ音楽のすばらしさを伝えてきた。「子供たちにピアノを教えることで、わたしもエネルギーをもらっているの。だから、いつまでも元気なのね。」と幸せそうに笑う。 |

若松 紀志子先生

アートスペース エリコーナのギャラリー。定期的に 絵画展が開かれている。 |

| 「若松(ご主人)も音楽が好きで、音楽に情熱をかけるわたしの生き方に共感してくれていた。」と懐かしそうに振り返る。若松 光一郎氏は絵を描くとき、必ず音楽をかけていたという。芸術を心から愛した人だった。 「若松が残した多くの絵を見てもらいたい。と同時に、様々な芸術にふれてほしい。」との思いで「アートスペース エリコーナ」を設立。私財を投じ、ギャラリーと音楽ホールが併設された芸術の空間を作り出した。
音楽ホールでは、一流の音楽家を招いてのコンサートや音楽家を目指す若者達へ演奏の機会を与えている。この場所で刺激を受け、若い世代の才能あるもの達が一人でも多く世界へ飛び立ってほしいとの願いからだ。 ≫ART SPACE ELICONA |

音楽ホール(100席)。客席の壁には絵が展示され、 美しい音楽と絵を楽しめる空間。 |

| 紀志子先生、実はスーパー・テニスウーマンでもある。13歳頃から始めたテニスを今も続けている。「孫とテニスをするのが夢だったのよ。でも、勝負への執念はすごいの。何十歳も離れた孫に、どんどんストレートを打ち込むんだから。」と笑いながら語るのは、娘の中川 素直さん。ピアニストであり、お母様と同じくピアノ教育に力を注いでいる方だ。 「楽しくピアノを弾けて、音楽のすばらしさを子供たちへ教え続けること。そのために健康であること。これが大切なの。」とおっしゃる紀志子先生。 では、健康の秘訣は?「おいしいものを食べることと、体を動かすことね。」元来食べることがお好きな紀志子先生。料理もお得意でビーフシチューはプロ並み。一人暮らしをする現在も、ご自身で料理をするという。
マリィダイニングの実店舗であるマンママリィにも、ご家族で来て頂いている。 「ほんとに良く食べるの。マンママリィでも私よりも食べるわね。」と素直さん。「そうね、味が繊細だからイタリアで食べたパスタよりも私の好み。そばパスタもちょっと変わっていておいしかったわね。」と先生からお褒めの言葉をいただいた。
ここで、インターネット販売を始めたパスタをお渡しする。 「お家でプロの味が楽しめるなんて、いいわね。贈り物にも喜んでもらえそう。」とさっそく興味をもっていただいたご様子。 |

娘の中川 素直さん(写真左)。紀志子先生と共に、 音楽の道を歩む。

マリィダイニングのパスタと共に。「まあ、おいしそう。」 とにっこり。 |
| 90歳を超えて、益々お元気な紀志子先生。好きな言葉は「前進」。愛するピアノと子供達と共に、前へと歩み続けてきた人生だった。今後は、光一郎氏、紀志子先生の名前を拝したコンクールを開催する構想があるそうだ。エリコーナの舞台から世界へ飛び立つ、新たな才能に出会えるのが楽しみだ。 |

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1915年、京都生まれ。幼少期よりピアニストを志す。東京音楽学校(現・芸大)本科ピアノ科卒。1945年、疎開のためご主人、画家・若松 光一郎氏(故人)の故郷である福島県いわき市へ移住。以来、県内で音楽教育に情熱を注ぎ、数多くの音楽家を育てる。90歳を超える現在もピアノを通じ、音楽のすばらしさ・人生の生き方を若い世代に伝え続けている。ギャラリー・音楽ホールを併設したアートスペース エリコーナ主宰。
ART SPACE ELICONA(アートスペース エリコーナ)
主宰、若松 紀志子氏。 ギャラリーと音楽ホールを併設した「アートスペース エリコーナ」。ELICONA(エリコーナ)は、ギリシャ神話の芸術の神・ミューズが住んでいる山のこと。「絵と音楽が響き合う、芸術を愛する人たちのための空間に」との思いを込めてつけられた。 主宰・若松 紀志子氏のご主人である画家・若松 光一郎氏(故人)の絵も展示。 定期的に絵画展や演奏会が開催され、すばらしい芸術にふれあえる空間である。
≫ART SPACE ELICONA |
≫「いわきを愛する文化人―第二回 画家・峰丘氏」記事へ
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