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いわきを愛する文化人 第2回―画家・峰丘氏

いわきを拠点に、本職の画業だけでなく幅広い活動を続けている、画家・峰丘氏に、ご自身で作り始めてから今年で10年目になるというログハウスでお話を伺った。

今年で10年目・・・

福島県いわき市、好間川のほとりに峰丘氏が”隠れ屋”と呼ぶ全て手作りのログハウスがある。取材当日は晴天。澄んだ空気の中、”隠れ屋”を案内していただいた。

まずはログハウスの周辺から見せていただくことに。峰丘氏ご自身で石を運び作った石段を降りてゆくと、ログハウスの裏手に好間川が流れている。川底の見える澄んだ川で、周りは山や木々で囲まれている。辺りの静けさの中、せせらぎの音のみが聞こえるだけの空間。絵を描くにはもってこいの環境だ。川岸の大きなカツラの木には、なんとツリーハウスまでが作られている。

ログハウスをはじめ、脇にある倉庫、ツリーハウス、全てが自ら素材を集めて作ったもの。知人から聞きつけて山の木を切りに行ったり、いわきの町で伐採された街路樹をもらってきたり。使われてる素材は全てがナチュラルでまさにロハスを体現している建物だ。

設計図なしで勉強しながら作ったというログハウス。柱の寸法を間違えてしまい、別の木がその上に付け足してあったりする。「家作りはおもしろい。家の一つ一つ、何をしたか覚えている。一つの作品と思って家を作っている。」そんな失敗も全て自分で家を作る醍醐味なのだ。室内には氏の作品があちこにち飾られ、施され混然としている。完成はまだみない常に形を変えてゆく作品なのだ。

ログハウス
腰折れ屋根のログハウス。
裏手を流れる好間川
美しい好間川の渓流。釣り糸をたらせば鮎やヤマメが捕れる。

今年で10年目・・・

”隠れ屋”と仰るログハウスだが、始めた当初から手伝いの仲間が集い、また噂を聞きつけた友人がやってくる場所でもある。いい仲間が集えば仕事よりもすぐ宴会になる。「飲む場所はいくらでもある」と峰丘氏。

峰丘氏がメキシコでの生活を終え、いわきに戻ってきたのは1985年。それから22年、いわきを拠点に活動を続けている。いわきに居を構える理由は何かと問うと、「 いわきは自分の生まれ故郷。いい空間があり、いい仲間が集うベースキャンプだ」と答えてくれた。ベースキャンプがあるからこそ、自由に活動ができる。

氏は画業だけではなく、政治活動や環境問題にも自ら積極的に取り組んできた。以前好間川の上流にゴルフ場を建設するという計画があったが、陣頭に立って反対運動を行い、建設計画を中止させたこともあったという。

「アーティストや作家はしがらみがない。文化的活動をしている人は、もっと政治活動をするべき。」そしてそれはいい仲間がいるからできることだと笑顔で語った。

ログハウス
自他問わず作品が溢れる室内。中央は薪ストーブ。
茶室
趣のある手作りの茶室。中央の囲炉裏は風呂を改造したもの。

今年で10年目・・・

ログハウスでの取材の後、マリィダイニングの実店舗マンママリィでパスタとサラダを食していただいた。以前マンママリィを訪れた際には、石釜で焼く本格ピザの焼き加減が特に良かったそうだ。

この日は 峰丘氏のために特別に用意された無農薬の野菜を使ったサラダが特に気に入られた様子。 その日採れた新鮮な野菜に、オリーブオイル、塩・コショウ、そして削ったチーズをかけただけのシンプルなサラダだが、素材の良い野菜は何にもまして美味しい。

「材料を吟味するかしないかで料理は全然違う」と峰丘氏。自身も”隠れ屋”で鳥やサーモンの燻製を作るほど食にはこだわりがある。ログハウスから持ってきていただいた2週間かけて作るという鳥の燻製は、身の柔らかさと、燻された周りの肉が噛みしめるほど味わいを増す逸品だった。

サラダに使われている野菜は、地元いわきの生産者の畑からその日採れたもの。マンママリィ店舗では、地元で採れた野菜を店頭で販売しているが、「地元いわきをアピールしながら、自分の仕事、ポリシーをも表現していく、それは大事なことだ」と話してくれた。そうした取り組みを続けて欲しいとも。

無農薬野菜のサラダ
この日採れた無農薬野菜のサラダ
サーモンと鳥の燻製
2週間かけて作る燻製。左がサーモン、右が鶏肉。

3月に展覧会を予定している多忙な氏だが、今後は美術関係の若手の育成にも力を入れてゆきたいと豊富を語ってくれた。まだ完成ではないログハウス同様、いわきを拠点にこれからも様々な活動に自由に取り組んでいかれることだろう。

峰丘氏

プロフィール

画家 峰丘

略歴:1948年いわき市に生まれる。1972年春陽展、二紀展入選。1974年メキシコに留学。国立メキシコ自治大学造形学部に学ぶ。毎年展示会に出展。1990年には九州・有田にて磁器の上絵を制作。いわきを拠点に日本、メキシコと各地で毎年精力的に展示会を行っている。著書にメキシコからインドへの旅を記した紀行文「カラベラへの旅」がある。

作風について

峰丘氏は作品を発表した当初、骸骨をモチーフにした絵で注目を集めた。長年暮らしていたメキシコの地を思わせる美しい色彩と強い配色が特徴だ。 作風について尋ねると、「コントラストが好きなんだ。太陽が輝きを増すと影は濃くなる。明と暗、生と死、男と女。対照の濃いものに魅かれるね。」と話してくれた。

≫「いわきを愛する文化人―第一回 若松 紀志子氏」記事へ

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